メキシコの歴史と自然に触れるメキシコシティの観光スポット2選
メキシコシティ歴史地区で歴史散策を楽しむ
メキシコシティは16世紀にスペイン人が入植して以降、植民地経営の中心地として栄えてきました。しかしそれ以前から、この街はテノチティトランという名でアステカ王国の首都として繁栄していました。そうした歴史の積み重ねを目の当たりにできる観光スポットが、メキシコシティ歴史地区です。
このエリアには植民地時代の建造物がたくさん残っており、中心部に位置する国立宮殿やアールヌーヴォー様式のオペラハウス、17世紀には日本の少年使節一行が立ち寄ったという大聖堂などが街を彩っています。まるで貴族の館のような豪華な内装に飾られた中央郵便局など、現役の公共建築もあります。その一方で、テンプロ・マヨールと呼ばれるアステカ時代の巨大神殿跡も残されています。
また、国立宮殿のある広場に続くソカロ広場はメキシコシティを代表する繁華街の1つで、タコスやトルティーヤといったおなじみのメキシコ料理を売る屋台が並びます。
ソチミルコでエキゾチックな自然に触れる
メキシコシティの中心部から20キロメートルほど南には、ソチミルコと呼ばれる地区があります。このエリアは湖の中に無数の小さな島が浮かび、その周囲に標高2,000メートル級の火山がそびえるというエキゾチックな自然風景が魅力的です。
湖からは農業用の運河がいくつも引かれていて、現在では観光用の遊覧船が運航されています。アステカ時代にルーツを持つカラフルなデザインに装飾された船に乗って、神秘的な水辺の風景を存分に堪能することができます。この運河網はメキシコシティ歴史地区とセットで、メキシコにおける世界遺産として1987年に登録されました。
エリア内にはソチミルコ生態学公園や、ボスク・デ・ナティビタス公園などの自然公園も設けられていて、絶滅危惧種である両生類など希少な動植物が保護されています。
メキシコシティ歴史地区からソチミルコまでは、地下鉄と郊外電車を乗り継げば比較的簡単にアクセスできますし、タクシーやバスも利用できます。重厚な中にも華やかな都会のにぎわいと、静かな自然風景を1日で楽しむことも十分可能です。かつてこの地に栄えた古代王国の人々も同じ風景を見ていたのかと思うと、感慨をそそられるものがあります。