北関東を代表する歴史文化都市・茨城県水戸市の観光スポット2選

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水戸市は茨城県の県庁所在地であり、同県の行政や経済の中心とも言える都市です。同時に、旧水戸藩の栄華の歴史を今に伝える文化都市として北関東では屈指の存在です。ここでは、そんな水戸市を代表する観光スポットを2つ紹介しています。いずれも歴史ロマンを感じさせるばかりでなく、豊かな自然にも触れられる人気スポットとなっています。

日本三名園のひとつ・偕楽園

偕楽園は「幕末の賢侯」として名高い、水戸藩第9代藩主の徳川斉昭によって造られた日本庭園です。ちなみに斉昭は、江戸幕府最後の将軍である徳川慶喜の父親です。
偕楽園が開園したのは、天保13年(1842年)のことです。名称は中国の古典『孟子』の一節に拠っています。造園に際しては、斉昭自らが構想を練ったと言われています。
広さ約300ヘクタールにも及ぶ広大な敷地を持つこの施設は典型的な回遊式庭園で、歩みを進めるごとに次々と美しい自然風景が目の前に現れます。中でも有名なのは約100種3,000本の梅の木で、開花の季節には毎年多くの人の目を楽しませてくれます。見事な竹林やツツジの群生などもあり、四季折々の景観美が楽しめます。
園内には他に、好文亭と呼ばれる歴史的建造物があり、豪華な襖絵などを観賞することができます。

歴史学の舞台となった弘道館

弘道館は、天保12年(1841年)に創設された水戸藩の藩校です。設立したのは、偕楽園と同じく第9代藩主の徳川斉昭です。
藩校とは武士の子弟を教育する目的で江戸時代の各藩が独自に設置した学校のことですが、水戸藩は教育熱心な藩であったことから、弘道館も藩校の中では特に規模の大きなもののでした。講義の内容は人文科学から自然科学に至るまで多岐にわたっていましたが、中でも「黄門さま」こと第2代藩主徳川光圀を源流とする、水戸学と呼ばれる歴史研究は幕末の志士たちに大きな影響を与えました。
現在は教室に使われた建物の他に正門や廟堂などが残されており、激動の時代をくぐり抜けた歴史の重みを肌で感じることができるようになっています。また、周辺は公園として整備され、敷地内には約60種800本の梅が植えられており、梅見スポットとしても人気があります。

かつての水戸藩は、現在の茨城県中部から北部にわたる地域に該当します。そのため、水戸市内だけでなく、近隣の市や町にも神社仏閣など、藩にゆかりのある観光スポットがいくつか存在します。歴史散策を目的として水戸を観光で訪れる際は、そうした近隣のスポットも併せてめぐってみると、旅の楽しみがいっそうふくらみます。

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