分水嶺の街として知られる広島県府中市の観光スポット3選

中国地方
府中市は広島県東部寄りの内陸部にあり、中国地方特有のなだらかな山並みの風景の中、歴史を感じさせる街並みが点在しています。かつて備後国府が置かれたことで府中という地名となっていますが、広島県内には安芸国府があった安芸郡府中町もあります。どちらの府中も見所が多いエリアですが、自然と親しめるスポットが多い府中市には県内外から多くの観光客が訪れます。

願い事を叶えてくれる首無地蔵

広島県府中市の出口町にある首無地蔵は、地元の人々から「首無さん」と呼ばれ尊崇を集め、親しまれているお地蔵さんです。信心深い住民の夢にあらわれ、お告げの通りの場所から堀り起こされたお地蔵さんと言われています。お堂の中に大切に祀られ、身体の悪いところに線香の煙をあてて快癒をお願いすると叶えてもらえるとされ、遠方からの参拝者も少なくありません。ささやかな町のお地蔵様という印象ですが、府中公園にほど近く土産店なども並ぶ観光地となっています。5月18日と11月18日には大祭が行われ、毎月18日には例祭もあり、参拝者で賑わいます。

天然の滑り台が楽しめる三郎の滝

三郎丸町の山間にある三郎の滝は、長い歳月をかけて滝の清流が巨大なの岩を削り、なめらかになった岩肌を滑って楽しむことができる天然の滑り台として知られています。地域自慢の清流を体感しながら、約30メートルの落差がある自然の渓流を一気に滑り降りる体験は、ほかではなかなか味わえません。ワイルドな渓流滑り台のすぐそばにはシャワーが完備された更衣室が設けられており、安心して水に親しむことができます。夏は子ども達の歓声に包まれる三郎の滝は、秋は紅葉の名所となり錦秋の風情が堪能できるスポットになります。

白壁のにあうロマンの町並みで歴史を体感

市内の上下町には「白壁のにあうロマンの町並み」と呼ばれる人気の観光スポットがあります。上下町一帯は石見銀山からの銀を運ぶ街道の要衝となっていたことから宿場町として発展し、秀麗な白壁の建物が多く建てられました。特に明治期の蔵が教会になっている建物には独特の風情があり、写真映えするスポットとして多くの人が撮影に訪れます。白壁のにあうロマンの町並みは上下駅から約10分ほどのところにあり、町並みの美観と共に周辺の山々の風景も素晴らしく、リピーターが多い観光スポットでもあります。

広島県府中市は国府が置かれるほど古代から要衝の地であり、市内の上下町などは中世から近世にかけて日本の繁栄を支えた石見銀山の銀が集まる場所にもなっていたことから、中国地方屈指の重要エリアとして知られていました。現在ではのどかな山里の風景に親しめる観光地になっていますが、町のあちこちに名残りを留める繁栄の歴史に親しむ旅を満喫することもできます。

関連記事一覧